イギリスに集結した我がアメリカ軍。
敵の動向を観察する。
既にドイツ軍はフランス全土を掌握した後、ソ連へ進攻を開始した。
見ていると、みるみる前進して、モスクワまで2エリアまで迫っている。
これは面白くない。
ソ連を叩くのは、自由主義陣営の旗手である我々アメリカ軍でなければならないのだから。
ヨーロッパ開放を急ぐことにする。
問題はどこへ上陸するかだ。
史実に従ってノルマンディに上陸というシナリオも考えたが、フランス領を端から押していくのはけっこうめんどい。
何よりも敵を攻撃しても、敵部隊は後退するだけで、敵部隊にダメージを与えられない。
大部隊が激突すれば、当然大量の死傷者と兵器の損耗を招くのに、このゲームでは戦闘による全滅というルールが無く、しかも戦闘での損耗は非常に軽微だ。
これでは大兵力で押し捲っても、敵がどんどん後退して、最後はベルリンに100個師団がうず高くスタックしてしまうだろう。
それならば、オランダ辺りに上陸して南下、ドイツ軍を東西に分断してやろう。
偵察はイギリス軍航空隊に任せていたが、敵の防備は完全ではないらしい。
海岸線はけっこう手薄な事が判明した。
かくしてレーワルデン上陸作戦が実施される。
戦艦6隻、空母7隻、巡洋艦、駆逐艦多数の援護を受け、大量の輸送船が海岸に殺到する。
もちろん戦術爆撃による援護も忘れない。
先鋒は我らがエース、パットン戦車軍団である。
対するドイツ軍はわずか歩兵1個師団のみ。
こりゃもう楽勝楽勝。
そう思って戦況を見ている。
見ている、見ている、見ている・・・。
いつまでたっても上陸する気配が無い。
それどころか、勝手に輸送艦が港に帰ろうとしている。
おい!コラ!
誰が撤退命令出したんだ?!
どうも何かが足りないらしい。
やはり上陸作戦は海兵隊に任せるべきだったかな?
でも、上陸後の進軍の事ばかり考えて、海兵隊を全く作ってない。
というか、海兵隊の研究すら基礎止まりなんですけど・・・。
そうこうしているうちに、周辺の敵部隊が集結して、レーワルデンは攻略不可能な要塞になってしまった。
一旦兵を上陸させ、再検討。
偵察によると、カレーに敵部隊が存在しないことが判明。
よし、再出撃だ!
戦車は重いから上陸には向かないのかもしれん。
今度は歩兵中心の部隊に先鋒を任せる。
祈る思いで進攻の様子を見守る。
敵の増援はまだ来ない。
来るな、来るな・・・。
上陸!
戦闘は発生せず、無血上陸であった。
すぐ隣に敵の歩兵師団が迫っている。
海に叩き落される前に、追加の部隊を上陸させる。
あっと言う間に20個師団が上陸。
そのままダンケルクも占領して、確固たる橋頭堡とする。
こうなれば後は殲滅戦だ。
自動車化部隊を先頭に南下。
スイス国境まで到達して、ドイツ軍を東西に分断する。
フランス西部に取り残されたドイツ軍は無残である。
戦車と自動車化部隊に追い立てられ、最後は大西洋とスペイン国境で壊滅する。
西に向かった部隊は、ドイツ軍の抵抗をものともせず前進。
ドイツの工業地帯を飲み込み、遂にはベルリンまで占領する。
このとき、ドイツ軍東部戦線はまだソ連軍と戦っていたようだ。
ソ連軍はまだ本来の国境線までドイツ軍を押し戻してはない。
本国を占領されてもなお、東部戦線の将軍は、ヒトラーの命令を遂行していたようだ。
かくしてドイツは降伏、その領土を手に入れる。
・・・と思ったら、ここで驚愕の事態が発生する。
太っ腹なアメリカは、せっかく占領した領土を、全て元の国に返還したのだ。
パリも含めてヨーロッパの西側は全てフランスに返還される。
ベルギーやオランダ、ポーランドも復活。
驚いたことに、西ドイツまで建国して、その領土を分け与えている。
アメリカの手元に残った領土は、東ドイツのみ。
おいおい、そりゃないでしょ?
それでも、ソ連と接する東ドイツを確保できたことは、大きな収穫である。
最終目的であるソ連攻撃の足がかりとすることはできるのだ。
イタリアはまだ抵抗を続けていたが、本国は全て占領済み。
どこかに領土が残っていたのか、なかなか降伏しない。
無害なのでしばらく放っておいたら、イギリスが北アフリカ戦線で勝利したのか、併合可能な状態になった。
ソ連との全面戦争前に、邪魔な存在を消し去り、しかもイタリア半島を安定化させるためにもさっさと併合してしまおう。
そう思いながら併合ボタンを押した。
げげっ!!
ここでまた一大事件が発生する。
イタリアを併合したことで、ヨーロッパの戦いは完全に終了した。
そう、戦争が終了してしまったのだ。
その途端に、アメリカ国民の悪いクセが出る。
「戦争終わったのに、必死で働くなんてナンセンス。」
いきなり平時ペナルティの-75%が発動。
兵器生産ラインは軒並みストップ。
せっかく溜めた量産効果(沢山作れば、それだけ安く早く作れるようになる)もパァ。
おいおいおいおい、カンベンしてくれよ~。
気を取り直してヨーロッパの部隊を東部戦線に送り込む。
大国ソ連との決戦は間近だ。
この頃には政策もタカ派が主流となり、介入主義も行き渡っている。
独裁的傾向も強くなり、ソ連との戦争に反対するものは居ない。
ポーランドが邪魔だが、ポーランドを壁にして、左右からソ連軍を包囲殲滅する金床となってもらおう。
かくして戦備は整った。
ポーランドの左右にそれぞれ80個師団、およそ160個師団がソ連国境に集結する。
本当の戦いはここから始まるのだ。