ドイツ軍は、いきなり左右両翼の端を、装甲車が前進してきた。
また、歩兵が大挙村に押し寄せてくる。
少ない遮蔽物(岩場)を伝いながら、村に接近してくる。
イギリス軍は、対戦車砲と重機関銃でそれを阻止する展開となる。
徴募兵や新兵の集まりでは、それほどの戦果を期待できない。
しかし、徴募兵の対戦車砲が放った砲弾が、幸運にも装甲車を直撃する。
彼らの愛国心を計算に入れていなかったようだ。
敵陣の奥にある建物の陰から、突如戦車が姿を現した。
3号戦車である。
こいつは困ったぞ。
A15の40mm砲はもとより、頼みとしている6ポンド砲も正面からをこいつを撃破するのは並大抵じゃない。
しかも、Greenや徴募兵の彼らに、こいつの相手は厳しすぎる。
しばし、途方に暮れる。
敵の歩兵は、村の手前まで前進してきた。
先行した軽機関銃やブレンキャリアだけでは防ぎきれない。
A15を左翼から呼び寄せ、危険を覚悟で村に突入させる。
建物の陰に隠れながら、前進してくる歩兵を阻止するのだ。
左右には20mm砲を備えた装甲車、前方には敵戦車の存在も確認され、包囲殲滅される危険のあるカケだった。
後方で待機させていた歩兵を前進させるが、遅々として進まない。
頭数が揃っても、敵の銃弾をかいくぐって突撃する勇気を持つ兵士は少ないのだ。