30分経過した時点で、我々の部隊はフラッグに到達できていない。
このまま終了してしまうのかと思ったら、女神が手を差し伸べてくれた。
僅かに戦闘時間が延長されたのだ。
このチャンスを逃さず、一気にフラッグへ迫らなくてはならない。
しかし、左翼の森は敵がしぶとく抵抗を続けている。
占領は時間の問題だが、今はその時間が惜しい。
左翼からの部隊は、一気に敵の本陣へ迫る。
敵の反撃は散発的で、後方からの支援で制圧させる。
奥からもう1両のM8が砲撃してくるが、無傷の歩兵だけでも前進させなければならない。
焦りが出ていたのかもしれない。
中央で前進していたタイガーが、対戦車砲で側面を撃たれる。
1発目は弾き返したが、2発目の砲弾が戦車内部に飛び込んだ。
左翼を突破したタイガーが前進を続けるが、フラッグを目前にしてスタックしてしまった。
肝心な時に何てことだ!
左翼の森で抵抗を続けていた敵の分隊が、逃げ場の無いことを悟り、降伏してきた。
まだ敵は残っているが、とりあえずありがたいことだ。
32分経過したところで時間切れ、戦闘が終了した。
結果はドイツ軍の戦術的敗北であった。
なお、死傷者数だけ見れば、58名と90名で、連合軍の方が被害は大きかった。
現地司令官は述懐する。
「連合軍に敗れたのではない。我々は自然に阻まれたのだ。」
かくしてドイツ軍のラインの守り作戦は失敗に終わる。
連合軍は体勢を立て直し、パットンを呼び寄せて反撃を準備しているらしい。
我々はドイツ軍の最後尾で、味方が後退する時間稼ぎをしなければならない。