電車に乗っていた時のこと。
隣に座っていた女の人が、携帯片手にメールを書いていた。
人のメールを読む趣味は無いけど、携帯が目に入ることがある。
女の人って、どうしてああも携帯にシールを貼ったり、ゴテゴテとアクセサリを付けるんだろう?
それはさておき、その時に目を引いたのが、携帯の液晶画面。
最近の液晶画面は、多少斜めからでも文字がはっきり見えるもの。
ところがその人が持っていた携帯は、ちょっと正面からずれると、まるで画面が見えない。
はるか大昔の液晶画面みたい。
液晶画面を覆うようにシールがはってあって、それが視野角を狭めているようだ。
そのとき、私は新鮮な驚きを感じた。
はるか昔の液晶は、少しでも画面を傾けると、画面が見えなくなっていた。
それが悪いこととして、技術の進歩と共に改善されてきた。
少し前、ノートパソコンなどで、「真横からも見れます」みたいな宣伝をしていたっけ。
ところが、その人の携帯はまるで逆の事をしている。
考えてみれば、自分の打ち込んでいるメールを人に見られたくないもの。
電車のような狭い空間では、特にそうだろう。
今までは横から見えない事が悪いこととして改善されてきたのに、考え方を変えれば、見えない事が良いことになる。
考え方一つで、新しい商品価値が出てくるんだなぁと実感したしだい。
そういえば、私が就職直後に教えてもらった事があったっけ。
「電流を流すと簡単に焼き切れる電線は不良品だが、ヒューズとして売れば良品」
頭を柔らかく、発想を豊かに、これ大切ですな。