1941年6月
ついに独ソ戦の開始である。
怒涛の如く進軍を続けるドイツ軍は、この村で始めてソ連軍の組織的な抵抗を受ける。
敵の実力は未知数であったが、兵士の士気は高く、彼らは今回の戦闘も楽な戦いになると信じて疑うことはなかった。
序盤から快進撃を続けたドイツ軍であるから、さぞかし優秀な兵器を投入したんだろうと思っていた。
しかし、実際に選択可能な兵器は、お世辞にも優秀とは言いがたい。
対戦車砲が足りないのだ。
事前の調査で、ソ連軍にはT34やKV-1重戦車という、優秀な戦車の存在が確認されていた。
特にKV-1は、砲塔正面装甲90mm、その他の装甲は75mmという重装甲である。
ところが、ドイツ軍にはこの装甲を撃ち抜く主砲を装備した戦車がない。
つまり、戦車同士の戦いでは不利だ。
対戦車砲でも、500mの距離でまともに戦える兵器が無い。
唯一撃破可能な対戦車砲は88mmFLAKであるが、あまりにも高価で手が出ない。
混合兵種では支援兵器は360ポイント、戦車は300ポイントに制限されている。
88mmなら1門しか持って行けないうえに、それ以外の兵器がほとんど持ち込めなくなってしまう。
これではあまりにもリスキーだ。
しかも、敵が戦車を投入しない可能性もある。
仕方なく出した結論は、「敵は戦車を投入しない」であった。
投入しても、安価な軽戦車止まりだろう。
対戦車砲を多数配備してこちらの戦車を撃破、後は歩兵陣地で足止めする作戦を取るに違いない。
選択肢が限られるため、そう考えて作戦を進めるしかないのだ。
投入した兵力は以下の通り。
・偵察歩兵中隊 3個
・4号戦車E型 2両
・150mm自走砲 1両
・20mm対戦車ライフル 1門
・75mm無反動砲 6門
・輸送ハーフトラック 1両
・トラック 1両
部隊主力は右翼に配置する。
右翼の小フラッグを制圧して、側面から攻めるのだ。
左翼には、1個小隊を分割して作った、囮小隊2個を用意する。
75mm無反動砲を配置に着かせたら、歩兵が突入する算段だ。
どうか対戦車砲が沢山待ち伏せていますように・・・。