12分、左右の機動小隊は壊滅してしまった。
残存兵が命からがら逃げ出している状態だ。
こうなると敵の足止めは期待できない。
勢いに乗って前進してくる。
しかし、その先では、第2陣の兵士が息を殺して待ち構えていた。
敵は右翼に兵力を集中しているようだ。
第2陣地を攻撃されるまえに、敵にダメージを与えておくべきだろう。
14分、砲兵の支援砲撃を要請する。
後に、この砲撃がドイツ軍の運命を決定付けることになろうとは、夢にも思わなかった。
後世の戦史研究家は、この砲撃を「運命の砲撃」と呼んでいる。
右翼第2陣地での戦闘が始まる。
兵力に勝るアメリカ軍は、滝のように銃弾を浴びせてくる。
さしものドイツ兵もPINN状態に陥る。
その刹那、支援砲撃が敵の篭る森に降り注ぐ。
81mm迫撃砲と120mm迫撃砲だ。
この砲撃で敵に多少なりともダメージを与えることができただろう。
しかし、第2陣地が陥落するのは時間の問題と思われる。
左翼第2陣地でも戦闘が始まる。
こちらは敵が少ないため、しばらくは持ちこたえられるだろう。
どうにもシャーマンやM7自走砲が邪魔だ。
1両でも排除しようと左翼の奥から出撃したマーダー3が、いきなり撃破される。
なんてことだ・・・。
20分までに、マーダー3が2両とも破壊されてしまう。
これでシャーマンに対抗可能な対戦車兵器が無くなってしまった。
後は歩兵のがんばりに期待するしかない。
マーダー3を破壊して勢いに乗ったのか、急に敵戦車が活発に動き出した。
M7が堂々と右翼に前進してくる。
ここで対戦車砲でもあればイチコロなのだが・・・。
20分を超えた頃から、敵の攻撃が俄然活発になる。
右翼第2陣地は戦車と歩兵に蹂躙され、全滅してしまう。
中央、右翼に大量の歩兵が展開し、前進を続ける。
ドイツ軍も反撃するのだが、敵戦車に砲撃され、見る見ると死傷者が増えていく。
どうにもまずい展開だ。
30分経過、最右翼の小フラッグが陥落する。
しかし、この時点で大フラッグはドイツ軍が確保しており、ポイントも若干ながらドイツ軍有利だ。
早く戦闘が終結すれば、まだ望みはある。