最近、JRなどでオーバーランの話しが良く出てくる。
自動車を運転している感覚で考えると、「なんで停止線で止められないんだ?」と疑問に思った。
そこでWEBからいろいろ探して見る。
最も多かったのが、「電車は急に停まれない」というもの。
鉄のレールを鉄の車輪で走るので、摩擦係数が低いから、加速も減速もしにくいんだ・・・というもの。
理解はできるけど、それだけでは説明にならない。
乗り合わせた電車が急ブレーキをかけたことがあるけど、かなりの制動力があった。
それこそ立っている人が転倒しそうになるくらい・・・。
で、次に出てくる意見が、この「立っている人が転倒しそうになる」だった。
つまり、制動力はあるけど、それをフルに出し切るような急ブレーキをかけると、中の乗客が将棋倒しになる危険があるというもの。
戦闘機で言えば、機体は10Gまで耐えられるけど、パイロットがブラックアウトするので、事実上の制限Gは5Gになってしまうようなもの。
なるほど、それは理解できる。
「やばい!」と思っても、乗客の事を考えると、ブレーキを掛けるに掛けられない。
ちょっとしか減速できず、「あああ、越えちゃったよ・・・」と思いながらオーバーランしてしまうらしい。
では、100キロから転倒しない範囲で減速して停止するには、どの程度の距離が必要か?
これが思っているより、かなり長いらしい。
だから、駅が見えてから減速したのではもう遅い。
停車駅のかなり前から減速を始めないと大変な事になる。
ちなみに新幹線などでは、完全停止まで2kmかかるとか?
ここまでくるとケタが違うな。
私がよく乗る私鉄では、駅の手前でかなり減速、ノロノロ運転しながら駅に入っていくことがある。
乗っている側としては「何をもたもたやってんだ、さっさと走れよ」と思うけど、このお陰で駅にピタリと止めることができるのかもしれない。
それが速度優先でブレーキポイントをギリギリまで遅らせると、ブレーキの開始ポイントを過ぎた時点でオーバーラン確定。
少し強めにブレーキをかけつつも、そのままオーバーランしてしまう。
上図の例では、Bポイントの手前でブレーキをかけ始め、ゆっくりと駅に接近する緑色の線が安全で、停止位置に余裕を持って停まれる。
時間を短縮しようとできるだけブレーキポイントを遅らせると、Bポイントでブレーキをかけることになる。
Bポイントからは、転倒事故を起こさない範囲で、ギリギリ停車位置に止めることができる。
しかし、何かの弾みでBポイントを越えてしまうと、転倒事故を起こさない範囲でブレーキをかける限り、停車位置をオーバーランしてしまう。
何しろ100キロだと、1秒間で28mも進んでしまう。
よそ見して2秒ブレーキが遅れれば、そのまま60m近くオーバーランしてしまうことになる。
極限までブレーキポイントを遅らせるようなことをしていれば、50~60mのオーバーランは起こりえることなのかもしれない。
・・・・・とは言うけれど・・・・・
高速道路を100キロで運転中に、2秒もよそ見するドライバーが居るだろうか?
いくら急いでいるとしても、そんな極限まで速度を出してブレーキポイントを遅らせるような運転をしているのだろうか?
レールの上を走る鉄道だから、多少のよそ見も許される・・・そんな油断が運転士にあるんじゃないだろうか?
決め付けるわけではないけど、ちょっと甘えがあるような気がしてならない。
最後に出てきた回答としては、「勘違い」があった。
通過駅と勘違いした、編成車両を勘違いした・・・。
この辺りはシステムの問題だと思う。
どこが停車駅で、何両編成の列車か、そういう基本事項がはっきりと判るように運転席に貼り付けて毎回確認するとか、ブレーキ開始地点に道路標識みたいな表示板で表示するとか、いろいろ工夫する余地はありそう。
この辺りは会社として・・・というか、鉄道業界全体の問題のような気がする。
※上記の内容は素人考え&意見なので、誤りや誤認があるかもしれません。