序盤の10分間は、ドイツ軍の独壇場であった。
最左翼を急速前進する左翼前衛部隊(M5x2、装甲車x1、BARとバズーカ班など3個)は、目的地到達前にタイガーとヘッツァーの部隊に鉢合わせする。
開けた土地の真ん中で、隠れる場所も無い。
反撃しても、M5の37mm砲では歯が立たない。
わずか3分で、左翼前衛部隊は壊滅してしまう。
敵はタイガーを先頭に、左翼を堂々と前進してくる。
いかなM10でも、正面からタイガーと撃ちあうことはできない。
しかも敵の錬度はcrack(最古参兵)である。
レギュラークラスではかなうはずも無い。
各戦車に対し、まずは森や盛り土(道路が盛り上がっているのだ)の陰に退避するよう命令する。
しかし、敵の勢いは止まらない。
大フラッグを占領した後も、タイガーが左翼を前進してくる。
森の陰に隠れていたシャーマン戦車2両が、タイガーの砲撃を受けて破壊されてしまう。
一瞬、そのままタイガーが前進し、道路を越えて我々の陣地に突入してくる図を想像する。
そうなれば、こちらの戦車は全滅し、敵の圧倒的優位はゆるぎない物となっただろう。
敵の戦力は、タイガー2両、ヘッツァー3両、歩兵1個中隊と思われる。
しかも、全戦力を左翼に振り向けている。
右翼に敵の姿は全く見えなかった。
とりあえず、右翼を前進していた2両のM5は、乗車していた軽機関銃班を下ろして右翼フラッグを確保する。
さらにMAPの最奥まで進み、敵の左翼後方へ移動する。
また、M10とシャーマンを1両ずつ、中央の街道へ移動させ、敵の左翼前方に移動させる。
しかし、敵の左翼後方に位置するタイガーが、丘の上に陣取っていた。
こいつが居る限り、いかに高速なM5でも敵の後方に回り込むことはできない。
敵を包囲する体勢を取っているが、要所をタイガーに押さえられ、近寄ることができずにいる。
なんとか後方に回り込めれば良いのだが、そんなスキも見当たらない。
また、ヘッツァーも危険極まりない存在だ。
歩兵戦力も少なく、途方に暮れる状況だ。