いよいよ敵が身近に感じられるようになってきた。
双方の距離が接近し、お互いを射程距離に捕らえている。
配置が完了しだい、総攻撃が始まるのか?
右翼では敵の牽制射撃と迫撃砲の攻撃があるだけで、目だった敵の動きは無い。
まずは左翼から攻めるつもりのようだ。
しかし、敵の迫撃砲弾が、A中隊の中隊HQ至近に着弾。
護衛の兵士1名と共に、中隊長が戦死してしまう。
部隊に動揺が走るが、意思を引き継いだ中隊HQは機能しており、戦闘に影響は無いだろう。
優秀な副官たちだ。
この戦闘での死傷者は、これで3名となった。
彼らには、後で勲章が待っている。
中央部では、敵の歩兵1個小隊が前進してくる。
2分前に煙幕を張っていたが、ターン終了までに煙幕は消えた。
それまでにもっと多くの部隊が、接近してきたのかもしれない。
それでも、2個小隊というところか?
今の防衛ラインでも、何とか防ぎきれるだろう。
左翼では戦闘が激化してきた。
といっても、移動する我が部隊に対して、敵が散発的に牽制射撃を行っているだけである。
まだ組織的な攻撃は始まっていない。
それまでにこちらの防御体勢を整えなければ。
C1小隊が時間を無駄にしたのが痛い。
左翼の敵は歩兵2個小隊と思われる。
シャーマンとスチュアートらしき影も見える。
左翼大フラッグの攻防が、この戦いの趨勢を決めるかもしれない。
最左翼の奥に消えた敵の装甲車らしき音は、その後聞こえてこない。
左翼のStuH42を差し向けることも考えたが、正面のシャーマンやスチュアートも気になるし、何よりも左翼大フラッグの防衛を最優先とすべきだろう。
後方に敵が現れるまで、とりあえずは何もしないことにする。
初期段階で後方に残置していた重機関銃が、数分前から前方へ移動していたが、急遽近くの林に駆け込ませる。
こいつに敵の装甲車を監視させよう。
まだ敵の姿は見えないが、いずれ付近を通るだろう。